スタッドレスタイヤ&チェーン「二重の備え」(2005年12月)

そろそろ大雪や路面凍結が心配な季節。冬のドライブに向けた備えは万全にしたいものです。最近はさまざまな使いやすい装備が出ていますが、効果や使い方をよく知らないドライバーも多いようです。スタッドレスタイヤの装着や性能比較など、車の冬対策のポイントを確認しておきましょう。

効果の違い・比較

冬支度で最も大切なのは雪道や路面凍結に備えた足回り対策。ですが、スタッドレスタイヤとタイヤチェーンの効果や性能の違いや比較方法をよく知らない人も多いようです。

JAFが圧雪路と氷結路でテスト

日本自動車連盟(JAF)のテストによると、圧雪路ではスタッドレスタイヤの方がチェーンより早く止まれますが、逆に氷結路ではチェーンの方が止まりやすい。曲がる時はスタッドレスタイヤ、上り坂ではチェーンの性能が勝ります。

摩耗サインの確認

よく走る道が雪道か凍結路かで備えも違うわけですが、路上の状態は天候や時間帯でも大きく変わります。スキー場などへの遠出にはスタッドレスタイヤをはき、チェーンも携行する「二重の備え」が欲しい。昨シーズンに買ったタイヤを再び履く時は、摩耗サインの確認を忘れないようにしたいです。

イエローハット

イエローハット目黒青葉台店(東京)は「スタッドレスは一度交換してしまえば楽ですが、出費が少なくてすむのはチェーン。使う頻度によって買い分けるお客さんが多いです」といいます。

装着方法

「突然雪が降ると売り切れてしまうこともあるから、あらかじめ用意しておくことが大切。チェーンは装着方法を購入時に店で教わっておくと、いざという時にあわてないですみます」

料金は、アルミホイールとセットで9万円前後

イエローハット目黒青葉台店のチェーンは金属製なら8000円台から、非金属製は2万円前後から。スタッドレスタイヤはアルミホイールとセットで9万円前後が中心(タイヤサイズ195/65R15の場合)だといいます。夏用タイヤを有料(4か月9800円)で保管してくれるサービスもあります。

点下でも凍結しない油膜取りウオッシャー液

冬の定番商品では、窓ガラスの霜や氷を除去するスプレー、氷点下でも凍結しない油膜取りウオッシャー液、雪かき用のスコップなども売れています。

四輪駆動車(4WD)

「意外と多いのが、四輪駆動車(4WD)やアンチロックブレーキシステム(ABS)の過信による事故です」。JAF広報室は、冬に強いクルマの危うさを指摘します。

アンチロックブレーキシステム(ABS)

「4WD車はコーナーを曲がる時や坂道発進での安全性は高いが、急ブレーキによる制動距離は2WD車とほとんど変わりません。緊急時のハンドル操作に有効なABSも制動距離を短くする装置ではありません」

雪道ではバッテリーが上がりやすい

雪道ではバッテリーが上がりやすいことにも注意が必要。滑りやすい道をゆっくり走ると発電能力が低くなるが、暖房やライト、曇り取りやワイパーなどは思った以上に電気を食います。

カーナビの積雪や通行止め情報

また、抜け道情報などを示すカーナビにも落とし穴があります。幹線道路以外の小道を走ると、積雪や通行止めの情報が示されないこともあります。ともかく、クルマの装備への過信は禁物です。

幹線道路を選ぶ

冬対策の結論は「バッテリーをチェックし、スタッドレスタイヤやチェーンなどの用意を怠らない。その上で素直に幹線道路を選び、安全運転を心がけるのが第一」(JAF広報室)ということのようです。